森林限界の構造
1978年に表富士5合目の森林限界に永久調査プロットを設置。森林限界上部の草本群落から亜高山帯のシラビソ・トウヒ林まで長さ230m、幅10mに分布する樹木の胸高直径および樹高を測定した。
矮性低木群落の物質生産
森林限界を形成するミヤマハンノキの矮性低木林は、非常に高い生産性を持つことを門司・佐伯の群落光合成理論を使って明らかにした。
この研究結果はBotanical Magazine Tokyo(1993)に掲載。
樹木の養分動態
森林限界を構成する落葉広葉樹(ミヤマハンノキ、ミヤマヤナギ、ダケカンバ)、落葉針葉樹(カラマツ)、常緑針葉樹(トウヒ、シラビソ)の葉の窒素含有量の季節変化を調べ、根に根粒菌を持つミヤマハンノキの葉が落葉期にほとんど窒素を回収しないで落葉として土壌に供給していることを明らかにした。この研究結果はBotanical Magazine Tokyo(1987)に掲載。
森林限界21年間の動態
1999年に1978年に設定した永久調査プロットの再調査を行い、森林限界が上昇していることを明らかにした。森林限界上部の草本のパッチの周辺にカラマツなどの木本が侵入することが、森林限界上昇のメカニズムとなっている。この論文はJournal of Plant ResearchのBest Paper Award 2013を受賞。
森林限界40年間の変化
2018年に40年目の再調査を行い,森林限界が上昇し続けていることを明らかにした.この論文はPlants(2020)にオープンアクセスで掲載.以下から無料でダウンロードできる.
https://doi.org/10.3390/plants9111537